note (更新: 2026/3/16)

【わたなべ竜二一般質問報告】給付金の事務費を削減せよ!&地域デジタル通貨で朝霞の経済を回す ── 令和8年3月朝霞市議会

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令和8年3月定例会において、2つのテーマで一般質問を行いました。 いずれも「市民のお金をもっと有効に届ける」ための提案です。質問と答弁の概要をご報告します。

件名1:給付金事業における事務費削減と効率化について

なぜこのテーマを取り上げたのか

直近の1月補正予算に計上された「食料品価格高騰対策等支援金給付事業」。物価高騰の影響を受ける市民を支援する大切な事業ですが、事業費の内訳を確認して驚きました。

  • 支援金(市民に届くお金):約5億184万円

  • 事務費:約1億3,961万円

つまり、市民に届けるお金の約27.8%、およそ4分の1以上が事務費として消えている計算です。

事務費の中身を見ると、圧着ハガキの印刷費が約883万円、郵便料が約3,386万円、口座振替手数料が約1,360万円、事務補助業務委託料が約8,500万円。通知の発送と口座確認に関わる経費が大きな割合を占めています。

物価高騰で苦しむ市民を支援するなら、1円でも多く届けたい。そこで、今後の給付事業に向けた事務費削減の方策を問いました。

(1)公金受取口座の活用促進

朝霞市の登録率はわずか19.8%

公金受取口座とは、マイナンバーに紐づけて預貯金口座を国に登録しておく制度です。全国では人口の約半数にあたる約6,400万口座が登録済みですが、朝霞市の世帯主ベースの登録率は19.8%(72,064世帯中14,274世帯)にとどまっています。

ただし、過去の給付金や児童手当等で口座を把握できるケースも含めると、約6割の世帯にはプッシュ型(申請不要)で給付可能とのこと。残り約4割の世帯には、封書で「受取口座確認書」を郵送し、口座情報を返送してもらう対応となります。

公金受取口座の活用で約3,500万円の削減効果

今回の給付事業で公金受取口座を活用した場合の削減効果について質問したところ、市からは以下の答弁がありました。

  • 郵便料・印刷代等の削減:約1,500万円

  • 人件費(委託料)の削減:約2,000万円

  • 合計:約3,500万円の削減

事務費約1億4,000万円の約25%に相当します。登録率が高まれば、さらなる削減が可能です。

今後の登録促進

市としては、広報・ホームページ・SNS等で定期的に周知するとともに、デジタル庁の分かりやすい登録案内も活用していくとの答弁でした。

(2)給付方法の多様化 ── ATM受取という選択肢

全国で広がるATM受取

全国の自治体で導入が進んでいる「ATM受取」をご存知でしょうか。セブン銀行が提供するサービスで、銀行口座がなくても、メールアドレスか携帯電話番号があれば、全国のセブン銀行ATMで現金を受け取れる仕組みです。

先行自治体の成果は目を見張るものがあります。

  • 秋田県湯沢市:LINE申請+ATM受取の組み合わせで、職員の事務処理時間が従来の約8分の1に削減。住民は最短で申請翌日に受取可能。利用者の98%以上が「便利だった」と回答。

  • 兵庫県明石市:出産・子育て応援給付金にATM受取を導入した結果、申請の99.9%がオンライン経由に。従来約1ヵ月かかっていた給付が最短4日に短縮。

最大のメリットは、口座情報の確認作業が完全に不要になること。今回の朝霞市の事業でも、委託料約8,500万円の中に口座確認作業のコストが含まれており、ここを大幅に削減できる可能性があります。

市の答弁:DX推進方針に位置づけて検討

市からは、給付のデジタル化はコスト面・利便性・給付スピードいずれの面でも導入の意義があるとの認識が示されました。令和8年度の行政改革推進実施計画において「デジタル地域通貨等の新たなオンライン化基盤の導入の検討」を位置づけているとのことで、他自治体の事例を参考に検討を進めるとの答弁でした。

件名1のまとめ ── 3つの要望

質問を通じて、以下の3点を要望しました。

  • 公金受取口座の登録促進:登録率19.8%は全国水準に遠く及ばない。確定申告や転入届など市民との接点を活用し、平時から登録促進を。

  • ATM受取の導入検討:次回の給付事業に間に合うよう、速やかな情報収集を。

  • LINE申請との組み合わせ:約4割の世帯に封書で確認書を郵送する層こそ、LINE申請+ATM受取で大きな改善が見込める。公式LINEの給付事業への展開を。

市民に届けるお金の4分の1以上が事務費に消える現状を、次の給付では必ず改善していただくことを強く要望しました。

件名2:地域デジタル通貨を活用した地域経済循環について

現金給付の「もう一つの課題」

件名1の議論と関連しますが、現金給付にはもう一つの課題があります。それは、市民に届いたお金が必ずしも市内で使われるとは限らないということ。

市外の大型商業施設やインターネット通販で使われてしまえば、せっかくの給付金も地域経済の循環にはつながりません。そこで注目したのが地域デジタル通貨です。

地域デジタル通貨とは、特定の地域内でのみ利用できるデジタル化された通貨で、スマートフォンアプリやICカードで決済できる仕組みです。

(1)県内先行事例と市の検討状況

埼玉県内でも導入が進む

  • 深谷市:地域通貨「ネギー」を2019年から運用。ユーザー数2万人超、894店舗で利用可能。

  • 飯能市:出産・子育て応援交付金を電子クーポンで配布した実績あり。給付事業をはじめ様々な事業をデジタル地域通貨プラットフォームに統一する構想を推進中。

  • 群馬県桐生市:電子地域通貨「桐ペイ」で出産・子育て応援金を給付。現金給付では約1ヵ月かかっていたところを最短5日に短縮

朝霞市としても、深谷市やさいたま市、熊谷市の事例について、導入費用や概要の情報収集を行っているとのことでした。

課題認識

市は、メリットとして地域内消費の促進による市内事業者への支援を挙げ、デメリットとしてシステム開発等の初期費用と運用コストを挙げました。

(2)給付金事業との連携

約5億円が確実に市内で使われる

仮に今回の給付金約5億円を地域デジタル通貨で支給した場合の波及効果について質問したところ、市は「具体的な数字は算出できないが、現金給付と比べ、市内で利用されることが確実であるため効果は大きい」との認識を示しました。

行政DXと地域経済活性化の両立

ここからは、デジタル推進課、市民環境部、市長公室と、複数の部署に再質問を重ねました。

デジタル推進課からは、令和8年度を始期とするDX推進方針に「デジタル地域通貨等の新たなオンライン化基盤の導入検討」を盛り込み、**「スピード感をもって進める」**との答弁。

市民環境部からは、地域経済活性化の観点から関係部署と連携を図るとの答弁。

そして市長公室からは、デジタル地域通貨は地域経済の活性化にとどまらず、給付金事業・健康づくりなど幅広い行政分野にわたる活用可能性を持つ施策であるとの認識が示され、**「全庁横断的な体制を整えながら、総合的な施策として検討を進めていく」**との答弁を得ました。

件名2のまとめ ── 3つの要望

  • 先行自治体への視察を令和8年度の早い段階で実施すること

  • 商工会や地元金融機関との意見交換を早期に始めること

  • 令和8年度中に課題整理を完了するなど、具体的なマイルストーンを設定すること

おわりに ── 「二段構え」の提案

今回の一般質問を通じて提案したのは、**短期と中長期の「二段構え」**です。

  • 短期:ATM受取やLINE申請の導入で、次の給付事業から事務費を大幅削減

  • 中長期:地域デジタル通貨の導入で、事務効率化と地域経済循環の両方を実現

市からは、DX推進方針への位置づけ、スピード感ある検討、全庁横断的な体制整備といった前向きな答弁を引き出すことができました。この答弁を形にしていくため、今後も継続的にフォローアップしてまいります。

給付金は市民の税金から出ています。1円でも多く市民の手元に届く仕組みを、引き続き追求していきます。

朝霞市議会議員 渡部竜二(国民民主党) ご意見・ご質問はお気軽にお寄せください。

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